仕事を抱えたまま旅行に行くと、頭の隅で仕事のことを考えてしまいます。すると、脳のメモリの一部が仕事に使われ、目の前の感動が半減します。私は正社員のころ、そのことに気づいていませんでした。今回は、旅行中の景色にモヤがかかる感覚について、私の体験談と先行研究をもとに書いていきます。
正社員は、旅行中も脳のメモリが仕事に使われている
正社員の施工管理は、休みに入っても仕事から完全には離れられません。休み明けの現場はどうなっているのか。次のプロジェクトは何から着手するのか。すでに来ている問合せには、誰がどう対応しているのか。こうした考えごとが、旅行中も頭の隅で動き続けます。そのため、脳のメモリの一部は、常に仕事のために使われた状態になります。
これは、正社員が悪いわけではありません。責任のある立場だからこそ、気になってしまうのです。ただし、その負担の大きさは、休みの日の過ごし方にまで影響します。
脳のメモリが仕事に使われると、なぜ景色にモヤがかかるのか
私の感覚を説明できそうな先行研究が、いくつかあります。ここでは3つ紹介します。
仕事から心理的に離れられないと、回復できない
ドイツの研究者であるSonnentagとFritzは、休みの時間に仕事から心理的に離れる状態を「心理的距離(psychological detachment)」と呼びました。そして、これを回復に欠かせない体験の1つとして整理しています。測定尺度の解説によると、仕事の負荷が高い人ほど、心理的に距離を取りにくいことが報告されています。さらに、距離が取れないと、疲労や燃え尽きにつながりやすいとされています。
目の前以外のことを考えていると、幸福度が下がる
ハーバード大学のKillingsworthとGilbertは、2,250人にスマホで無作為に質問する調査をしました。その結果、人は起きている時間の約半分、目の前のこととは別のことを考えていました。そして、その状態のときは幸福度が下がっていました。この論文は、Science誌に掲載されています。ただし、仕事の考えごとに限った話ではありません。
注意の容量が埋まると、目の前の刺激に気づきにくくなる
心理学者のLavieが提唱した負荷理論では、注意に使える容量が他の課題で埋まると、周辺の刺激が意識に上りにくくなるとされています。関連する論文もあります。私が感じていた「脳のメモリを仕事に使われている」という感覚に近い説明です。ただし、この理論が扱うのは「気づくか、気づかないか」です。色がくすむことまでは示していません。
とはいえ、3つを重ねると筋は通ります。仕事から離れられず、別のことを考え、注意の容量も足りない。その状態で見る景色は、美しいようでも、少しグレーがかっていたのだと思います。

仕事を抱えたまま旅行した、あの1回
これまでに、厳しい仕事を抱えたまま旅行に行ったことが1回だけあります。そのときは、旅行先でも、動いている現場のことが気になっていました。休みが1日1日減っていくのが怖かったです。最後に空港へ向かうときには、手が震えていました。
「行った」という実績だけを作りに来たようで、楽しむことが十分にできませんでした。
もしかしたら、正社員の中にも、同じ人がいるのではないでしょうか。旅行が趣味と言いながら、行った実績は作っています。でも、心から楽しめていない人も、結構いると思います。人生では、仕事も大事です。しかし、それより大事なこともあるはずです。
旅行は、準備の時間まで含めて楽しい
旅行そのものについても、補足したいことがあります。たとえば、同じイタリア旅行を考えてみます。正社員は、ツアーにお金を払って、すべて旅行代理店にお任せするほうが楽かもしれません。自分で計画する余裕がないからです。自分でやるとしても、スケジュールを空けて、航空券とホテルを予約するだけで精一杯でしょう。
一方、派遣社員は違います。数カ月前から予約が必要な、最後の晩餐やバチカン美術館の入場券も、事前に押さえられます。さらに、旅行先に関係する映画を観て、本をたくさん読んで、予備知識を蓄えていきます。実際に行ったイタリア旅行でも、そうしました。
準備の時間にワクワクするのは、何より楽しいものです。その時間を楽しめないのは、損だと思います。
これまでに旅した17カ国
ここまでの旅行歴は、カナダ、アメリカ、コロンビア、ハイチ、ジンバブエ、ケニア、エチオピア、インド、レバノン、イスラエル、パレスチナ、タイ、韓国、南アフリカ、ブラジル、イタリア、エジプトです。合計で17カ国になります。
仕事に脳のメモリを使われていない状態で旅をしたときは、景色がとても色鮮やかでした。匂いや音も、強く感じました。グレーがかかった景色しか知らないときは、それが普通だと思っていました。
脳のメモリを仕事に使わない働き方がある
派遣の施工管理なら、正社員ほど心や精神を消耗することなく、やりがいを感じながら仕事ができます。そのため、家に帰っても心が残業している状態にはなりません。

お金の面でも余裕があります。寮費0円で、毎月30万円以上、多ければ50万円以上が余ります。だから、NISAに満額入れても、旅行に行く余裕があります。もちろん、時間もあります。

結果的に、人生そのものがうまくいきます。そういう勝ち方も、きっとあります。私は派遣の施工管理で余裕をもって働きながら、30代のうちに資産3000万円になりました。

まとめ
仕事を抱えたまま旅行すると、脳のメモリが使われて、景色にモヤがかかります。先行研究は、その原因を説明する手がかりになります。しかし、いちばん確かなのは、自分で体験した差でした。もし今、旅行に行っても心から楽しめていないなら、働き方を見直すタイミングかもしれません。派遣の施工管理に興味がある方は、気軽にご相談ください。
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